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茶の本 再読

著者の岡倉天心は、近代日本美術界の礎を成した天才。「茶の本」は英語で書かれアメリカで出版されたもの。日本語に翻訳された130頁ほどの文庫本には凝縮された文明論があった。ワールドワイドな国際人として日本が誇る人物である。

1、茶碗にあふれる人間性 2、茶の流派 3、道教と禅 4、茶室 5、芸術鑑賞 6、花 7、茶人たち の7章からなる茶を通した日本並びに東洋文明の意義を語った思想書である。この本で学んだことは…❶お茶の世界-茶道は源流の東洋とりわけ中国ではなく、日本が完成させた芸術世界である❷茶道こそが陶芸、絵画、華道、建築などの芸術世界の源となった❸茶道は姿を変えた道教である-老荘思想につながり、禅ともつながる。①相対性の認識「一定」とか「不変」というのは成長の停止を意味する言葉に過ぎない。自然とともに自由気ままに生きることこそ望ましい②不完全性の美学-不完全で、未完成であることによって、将来、完全や完成にむかう無限の可能性が生まれる。「空」であるからそこに大いなるものを受け入れられる-自分を空っぽにして自然と一体になる。これが茶における理想の境地❹宗教は未来を後ろ盾としているが、芸術では現在こそが永遠なのである❺美しく生きてきたものだけが美しく死ぬ(利休を語る)❻日常茶飯、日々是修行-禅の修行と通じる茶道

岡倉天心『茶の本』 2015年1月 (100分 de 名著)

岡倉天心『茶の本』 2015年1月 (100分 de 名著)

NHK 100分で名著」も並行して観て学ぶ。

参照「松岡正剛-千夜千冊」http://1000ya.isis.ne.jp/0075.html