旅 街 人 美

基本、自分日記です。

大規模なスト中のフランスに入った。


【セーヌにかかる橋の向こうにオルセー美術館


1989年、いわゆるパック旅行で初めてパリに行った。
当時、東京勤務が始まったばかりのイナカッペの私にとってパリは衝撃的な街だった。調和がとれた街並み、大きさ、歴史、何か洗練されているような感じ。
仕事が大半だが、あれからパリはよく行く街になった。数えててみたら今度で17回だった。今では、そのうち行ける街、のような場所になった。それだけ大好きな街である。今回は2004年以来だから少し間が空いた。

帰る日の朝、まだ夜が明けぬ7時前にホテルを出て歩いてみた、というより歩いておきたかった。

石畳の道には、びっしりとアパルトマンがはりついて密度を感じさせる。壁の向こうの人を感じる。

四方八方に伸びる道は、一本間違えると方向違いや錯覚を起こし、すぐ迷子になりそうだ。しまった、地図を持ってくればよかった。


後戻りできるように、壁に書かれた通りの名前を記憶しながら、右へ、左へと歩く。
早く開いたカフェで、もうコーヒーを飲んでいる人もいる。
オルセーやルーブルのそばだからアンティークの店が並ぶ。店を覗き込み、また歴史を感じる。セーヌ川のそばに出た。ここに来れば地理は摘める。ルーブルが、オルセーがまだ眠っている。


まだ目が覚めていないパリの街にも惹かれる。昨夜のサンジェルマンの賑やかさも懐かしい。


美術館があり、カフェがあり、洒落たレストランがあり、気取ったように見えるパリの人がいる。そういう魅力的なものがあるからいいのだろうか?今回、朝の散歩をしながら考えてみた。

まだこの程度の旅人が偉そうにと、聞こえるかもしれないが、パリの街は自分がとても自由になったように感じさせてくれる。それがこの街に惹かれる訳ではないか?干渉もしない街。でも踏み込めば奥は深く、大きい様がある。街の中にいて、行きつ戻りつする感覚の幅がとてつもなく大きい。そこに自由度を感じるのだろうか?この大好きな街を今度は、ゆっくりと堪能してみたい欲望に駆られた。



【朝8時のサンジェルマンデプレ。向こうにモンパルナスタワー】
6年ぶりのフランス。宿はサンジェルマンデプレにある。パリは、国鉄のストの影響か車で溢れかえり大渋滞。空港から市内中心部のホテルまで、とてつもなく時間がかかった。出張も終盤、今回は移動移動の毎日でいささかお疲れモードである。


今回の仕事はパリから北東の街リールでのもの。
ストの中、タイムスケジュール通りにならない列車に乗って1時間。初めて行く街リールは、こじんまりとしていました。帰りもストの影響を受け、予定を大幅に遅れて辿りついたパリでした。
雨のパリ。夕方から夜にかけて少しだけパリの街を感じました。
サンジェルマンデプレで夕食。出張最後の夜はワインを飲みながら成果を確認しあい、次回を約束しました。