数学を美と感じた映画は、哲学のようでもあった
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2006/07/07
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数学者の主人公(寺尾聡)の記憶が80分しかもたないことや、彼と道ならぬ恋に落ちた義姉(浅丘ルリ子)という設定が何となく気になるが、映画は全体的にゆったりとしたいいものだった。
http://hakase-movie.com/
あらすじ:ウィキペディアより
「家政婦紹介組合から『私(深津絵里)』が派遣された先は、80分しか記憶が持たない元数学者「博士」の家だった。こよなく数学を愛し、他に全く興味を示さない博士に、「私」は少なからず困惑する。ある日、「私」に10歳の息子がいることを知った博士は、幼い子供が独りぼっちで母親の帰りを待っていることに居たたまれなくなり、次の日からは息子を連れてくるようにと言う。次の日連れてきた「私」の息子の頭を撫でながら、博士は彼を「ルート」と名付け、その日から3人の日々は温かさに満ちたものに変わってゆく…。」
「潔い数字」「素数」「友愛数」…など数が本来持っている神秘や美を教えられた。数学者がそうした数字や数式に秘められたモノを発見すべく研究しているというのも新鮮なる驚きであった。
記憶が80分しかもたないのだが、博士の周りの人々は数式や数字を通しながら博士との80分の“今”を積み重ねていく。切り取られる80分の「今」が、周りの人々には歴史になりドラマになっていく。不思議な設定である。