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日本の歴史をよみなおす 〜面白い本でした

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

網野善彦」。すでに亡くなっているが、この著者の本は面白そうだと前から思っていた。日本史を年代を追って解き明かすのではなく、ある材料、テーマに沿って分析し、時代が変わっても連なるコトや時代とともに変化するコトを提示する。
文字(片仮名の使われ方)、日本史における貨幣、女性の位置づけ、農業社会だったのかどうか…などを材料にこれまでの日本史観に疑義を提唱する。

彼の著作に時々触れてみようと思う。

松岡正剛氏の見解 ↓
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0087.html

ウィキペディアより 網野善彦の業績】

中世の職人や芸能民など、農民以外の非定住の人々である漂泊民の世界を明らかにし、天皇を頂点とする農耕民の均質な国家とされてきたそれまでの日本像に疑問を投げかけ、日本中世史研究に大きな影響を与えた。また、中世から近世にかけての歴史的な百姓身分に属した者達が、決して農民だけではなく商業や手工業などの多様な生業の従事者であったことを実証したことでも知られている。その学説には批判もあるが、日本史学民俗学からのアプローチを行い、日本史学に学際的な研究手法を導入した功績は広く認められている。

アナール学派の代表的歴史家であるフェルナン・ブローデルの著作に関わる『海から見た歴史―ブローデル『地中海』を読む』を日本でのアナール学派の紹介者である二宮宏之らと共に著しており、その方法論と学説の形成にアナール学派の影響を見るものがあるが、必ずしもそうではないとされる[1]。

また、中世史家の伊藤正敏は、網野の「無縁」概念を発展させ、中世における大寺社(寺社勢力)が、朝廷や武家政権に対抗した巨大なアジール的空間であり、また「寺社勢力概念」により「農業中心史観」がさらに解体されるという説をとなえている。


また、時代小説分野にも影響を及ぼし、隆慶一郎などが舞台設定などで網野の学説を幅広く取り入れた創作を行っている。

2007年5月より、『網野善彦著作集』全18巻別巻1冊が岩波書店から刊行開始。