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基本、自分日記です。

今週の読書

木のいのち木のこころ〈地〉

木のいのち木のこころ〈地〉

同名の聞き書きの第2弾。
法隆寺宮大工、西岡棟梁の弟子、小川三夫氏の聞き書きである。
高校の修学旅行で法隆寺五重塔を見て、こんな塔を造ってみたいと思い、西岡棟梁に弟子入りしたという。
職人の教育、徒弟制度の重要さを、今度は弟子入りした立場と弟子をとった立場の両方から伝える。


個性なんてものがなければ、誰にでも同じ方法で教えてやれるけど、人は木と同じでそれぞれ癖があるんだ。それを無視したら駄目になってしまう。癖を生かすように、それを伸ばしてやるのが教える側の務めや。棟梁はこう言っている。「人間は生まれたままの個性を持っている。本当の教育というのは、その個性を伸ばしてやることだ」。(本書抜粋)


いずれやっているうちに、大きな木を前にしても平常心でいられるようになる。大きな木は自然に人を育てるからな。大きなものを扱っていると、人間も大きくなるんだな。不思議なもんだ。(本書抜粋)


棟梁から新聞もテレビも読書もするな。ただ、ただ仕事だけしろといわれ、手が覚えるほどまでに到達していく職人の姿。

考え方も、身についているから本物。


法隆寺薬師寺法輪寺−その美しい姿を見に奈良へ行こうと思った。
即物的だなー!

法隆寺五重塔
 【薬師寺金堂】

【追記】09年5月
この本がきっかけで、久しぶりに斑鳩の里を訪ねました。
春爛漫の法隆寺で飛鳥建築を感心を持って眺めた次第です。