旅 街 人 美

基本、自分日記です。

今週は、伊集院静著「美の旅人」を読んだ。

スペインの画家たちを巡る旅の本だ。

エル・グレコゴヤ、サルバトーレ・ダリそしてホアン・ミロ
個性派ぞろいである。
観ていて、心を揺らすのはゴヤの絵だと思っている。
82年の生涯を閉じるまでに、様々な絵を描いた。欲の深い画家だったと知る。
晩年は耳が聞こえなかったが、人間の闇の声を描いたように思う。


ミロの絵は、よく分からないので、敬遠していた。
この本を読んでいて、純粋で寡黙な芸術家だと知った。
内なる創造の源を静かに、独りで何の力も借りずに手繰りよせた。
画家の人生や考え方を知ることで、絵の見方も変わってくるものだ。


一方で、ダリには驚いた。
日和見の画家。
ヒトラーフランコを賞賛した欲深いこの画家の人生には幻滅を感じた。
ただ、独創的な表現や絵の上手さは別だけれども。
また、ダリの場合は彼の絵画のミューズが夫人のガラであり、二人が一心同体だったこと。
晩年はこの二人が仮面夫婦(?)であったことも面白いトピックだった。


エル・グレコの街―トレド。
ゴヤの作品を多く所蔵するプラド美術館のあるマドリード
ダリやミロの故郷―カタルーニャ
僕のヨーロッパ最初の旅の地が、これらスペインの街だった。
3度訪れたスペインへの旅から、もう15年が経つ。
この本を読んでいて、もう一度、確かめに行きたい。


【付録】好きなゴヤの絵「日傘」―幸せな絵である 色もいい


これからの読書計画―7月まで毎週1冊目標
「会社を変えても、あなたは変わらない」「心を揺さぶる語り方」「論語人間学
「美の旅人―フランスへ」「スコーレNO4」「新釈 老子



和食の店『吉祥』

あるお祝いの席で、久しぶりに警固の『吉祥』へ出かけた。
以前は笹丘にあったこの店も、ここに移って来て3年ほどたつだろうか。
けやき通りから筑紫女学園に入る道を進んで、右手にあるマンションの1階にある目立たないお店だ。
隠れ家というものではないが。

店内は明るくて、食事をするのに気持ちがよい空間だ。
ご夫婦だけで切り盛りする和食のお店。5千円のコースだけだ。
寡黙なご主人と、愛想のいい奥様が、上手いコントラストで
旬のものを材料に美味しいものを出してくれる。
明るい店内だから、料理の色も楽しめる。
いつも食べ終わった後に「あー美味しかった」と思うのである。

久しぶりに行って幸せだった。