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基本、自分日記です。

京都の北の山の奥にある志明院

「もくもく号」という名の9人乗りのジャンボタクシーが京都の北の雲ヶ畑という山間まで運んでくれる‟バス"。北大路から30分500円。8時40分にこの‟バス”は出た(一日2本運行)。終点は雲ケ畑岩屋橋。

途中でアーチェリーの練習場に行く中学生たちが降車し、途中乗車した女性と2人だけが志明院を目指した。

先に歩いて行った、かの女性が途中で休憩の間に「熊が出なければいいですね」と声をかけて追い抜いた。

なだらかに上がっで行くアスファルト道。北山杉が両脇の山裾に伸びている。ただ6月の豪雨で木々は倒れ荒れた山になっている。

左手にせせらぎの音。鴨川の源流だそうだ。両脇の山裾を注意深く見ながら歩く。本当に熊が出たらどうしたらいいんだろう。バスが山間に入る前のところには「熊出没注意」の標識が数カ所あったし、ドライバーがかの女性と、この辺で先だって熊が出たそうですね、なんて会話もしていた。

まだかまだか!9時40分頃にやっと志明院に到着。


ワンワン!と番犬のお出迎え。同時に志明院こと岩屋不動の住職の奥さん、といっても80代くらいと思しきおばあちゃんがお詣りの仕方を教えてくれる。必要なものをビニール袋に入れ、あとは置いていかないといけない。

山門をくぐり、本堂がある。両脇いたるところに仏様たち。少し上がると左手に龍神様が祀られ勢いよく湧き水が上から落ちてくる。龍の彫刻の上向こうに祠がある。ここが今回の目的のひとつ。
ゆっくりお詣りをして湧き水を口にしたり、手にしたりして身を清め祓う。龍神様の奥には小さなお不動様と薬師如来が洞窟のようなところに佇んでらっしゃる。

歌舞伎「鳴神」由来の舞台はここらしい。後戻りして、また少し上に上がっていく。荒れた山道、岩肌。洞窟に祠と結界がある。洞窟の岩肌にしみた水がポタリと落ちてくる。これが鴨川の本当の源だとか。

弘法大師空海が京の都の安寧と水を守るべくここで祈りを込めたと先ほどおばあちゃんが言っていた。祠の前にひかれた鉄板の小さな舞台の上にしばらく居て山の霊験を感じ、さわやかな力が与えられたような気もする。

かつて司馬遼太郎産経新聞の記者時代にここで「もののけ」に出会い、その話を聞いた宮崎駿監督が「もののけ姫」着想に至ったとか。夜のココはそんな「もののけ」が出てくるのであろうか。

降りていくとヘビが前を横切っていく。龍神様の化身か?
お寺の古びた事務所でおばあちゃんと会話しながら御守りを頂く。
福岡からと告げると某先生のご紹介でしょう!と当てられた。

ここに50年住んでらっしゃるおばあちゃん曰く、ここのお不動さんは下界とは違い大いなるパワーをお持ちだと。
山を降りながら確かに爽やかな力が身に着いた感がある。

岩屋橋までは今度は下りなので20分ほどで到着。
1時間半ほどのお詣りであった。

呼んだタクシーが20分ほどでやってきた。
叡山電車の「二軒茶屋」駅まで送ってもらい、あとは電車バスで出町柳から京都駅、市内中心部に戻っていった。タクシー代は3570円也。

半日がかり念願の志明院龍神様お詣りであった

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